分散アルゴリズムって何?

分散アルゴリズムとは, 分散システムで処理を行うための手順を定めたものです.

分散システムとは

分散システムとは, コンピュータがネットワークでつながったシステムです. インターネットのようなネットワークを想定してもらえばよいでしょう. 分散システムの研究では,コンピュータを「プロセス」, コンピュータ間を接続するネットワークを「通信リンク」と呼んでいます.
分散システムでは, それぞれのプロセスは他のプロセスと協調しながら システム全体でひとつの処理を行っています.

分散システムのむずかしさ

分散システムのいちばんの難しさは, システム全体が見えない点にあります. 1つのプロセスは通信リンクで直接接続しているプロセスの状態しか 見えません. もちろん,すべてのプロセスに直接接続していれば それぞれのプロセスがシステム全体の状況を把握することができます. しかし,インターネットのような膨大な数のプロセスが 参加する分散システムでは, このようなネットワークを準備することは現実的ではありません.
また,近年注目されているP2Pネットワークに見られるように, 参加するプロセスが時々刻々と変化していくような 分散システムも考慮しなくてはなりません. 参加するプロセスが変われば,ネットワークの形状も変わります. このような変化にすばやく対応することも必要とされています.

分散アルゴリズムとは

分散アルゴリズムとは, 分散システム全体で何らかの処理を行うために, 各プロセスがどのような手順でどのような計算を行うかを定めたものです.
ただし,効率性や柔軟性,故障耐性, その他にも様々な「よい性質」が必要とされています.
よりよい性質をもつ分散アルゴリズムを設計するために 多くの研究が続けられています.
自己安定アルゴリズムとは>
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